コンプレッサを修理してみた
- campusviridis2018
- 2018年7月1日
- 読了時間: 6分
#数年前、#学校のゴミ捨て場 から #壊れた #コンプレッサ を #拾うだけ拾って放置 していたので #すが、#部屋の片づけ をしていたら #ひょっこり 出て #きた ので #修理 してみました。……というのは #2週間前 の #出来事 で、しかも #当初は 修理で #はな く #解体 して #廃棄 するつ #もり だったので修理 #過程 の #画像 は #ありません。#残念でした。
という話をしたら、コンプレッサの内部構造が気になる、というお声をいただいたので、今日は特別にせっかく修理したコンプレッサを再び解体し、内部構造を大公開しようと思います。なので、この記事の正確なタイトルは「コンプレッサを解体してみた」です。

まず、外見を見てみましょう。図2に上下左右から見た図を示します。この記事では、便宜上、圧力計の向いている側を「前」、真空側(VACUUM)を「右」、圧力側(PRESSURE)を「左」と呼びます。

真空側にはルブリケータと真空計が取付けられていますが、ネジ管で付けてあるだけなので直ぐに取外せます(図3)。ルブリケータの中にはプラスチックのボールが2つと外れたパッキンが入っているだけで、油は入れてません。油が揮発するまで放置されていたらしく、白い顆粒状の汚れが付いていたので拭き取りました。


真空計は極めてシンプルな構造になっており、裏のネジを一本外すだけで黒いカバー(図4右)を外すことができます。文字盤の前にはガラス窓があった可能性もありますが、発見されたとき既にありませんでした。文字盤の裏(図4左)にはブルドン管ゲージが入っており、この屈曲方向の歪を歯車で拡大して針で読み取る仕組みになっています。単純かつ丈夫で素敵ですが、精度は期待できません。半田付けの造形がニクいですね。
それでは、本体の解体を進めていきましょう。


まず、前面の黒い網を取り外します(図5)。ネジは*型ですが、一方向だけ長くとってードライバでも外せるようになっています。実はこの工程はシリンダ部を見るだけなら不要なのですが、見通しをよくするために行いました。円筒形の部分のうち、後ろ側のほとんどはモータのコイルに占められています。前面側にはまずファンが見えますが、これはシリンダ部とは関係なく、奥のモータを冷却するためのものです。ピストンを駆動しているのはその後ろにあるエキセントリック(図6)です。後で分かりますが、エキセントリック・ロッドはピストンと一体成型になっています。実はエキセントリックの作動を観察したのは初めてだったので、たいへん興奮しました。ファンを回してあげるとぐりぐり動きます。この動きをお伝え出来ないのが残念です。もちろん、同一の回転軸でピストンの駆動とモータの冷却を同時かつコンパクトに実現しているところも地味に感動です。
モータは後ろ側と前側にそれぞれ2本ある+ネジで固定されているようでしたが、前側のネジは長柄のドライバでないと届かない位置にあり、取り外すのは諦めました。解体して廃棄するのを諦めたのもこのときです。さすがに一体成型になっている胴部をそのまま燃えるゴミに出すのには憚りがありますね。

いよいよシリンダ部の解体に移ります。吸排気孔のある部分はシリンダ部を覆う蓋になっており、*ネジ6本で留めてあります。このうち2本のネジは少し長く、把手も同時に固定しています。


蓋を外すと、コンプレッサの文字通り?心臓部である、シリンダが姿を見せます。シリンダといっても、実際には単なるアルミ製の円筒(図9上)で、胴部の突起(図9下)と蓋の裏の橙色のパッキン(図8上)の間に挟まれてしっかりと支持されています。その内部にピストン(図9下)がぴっちりとはまり込んで上下動するわけです。ただ、ピストンはエキセントリック・ロッドと一体成型になっているため、微妙に左右に傾きながら運動します。修理したときには、ピストンの黒いパッキン(図9下)が外れてダレていたのを無理やり押し込み、また蓋の裏の橙色のパッキンが伸びて外れていたのも無理やり押し込みました。図9でも微妙にハミ出ているのが分かるかと思いますが、組立の際には押し込みます。明らかに経年劣化でヘタっていたので、実に無理やりです。
パッキンを押し込んだら、グリースを塗布します。グリースといっても無いので、家にあった医薬品のワセリンを塗りました。昔サークル活動で使い、余っていたものです。良い子は真似しないで、適切なグリースをホームセンタで購入しましょう。


一通り解体が終わりました。全体に対する、シリンダ部の位置関係は図10に示した通りです。シリンダ部の下側にある、胴部の開口部を覗き込んだものが図11です。左側が前面(図6で見えている部分)で、左右方向に回転軸が通っています。ちょうど、図6で見える冷却ファン、エキセントリックを右上方から見た格好になっており、図11では回転軸上の左側に冷却ファン、その右隣にエキセントリックが見えています。ここまで解体すると、エキセントリック・ロッドとピストンが一体成型になっていることがハッキリと分かります。でも、写真には上手く写りません。まるでドブネズミの美しさのようです。
ここからは、蓋をさらに詳しく見てゆきます。

蓋の裏側には、真空側に対応する逆止弁が付いています。逆止弁そのものは薄い鉄板を押さえ板で押さえ、ーネジで留めただけの簡便なものです。そのままだとこの弁はピストンと干渉するので、ピストン側にポケットが用意されています。ピストン表面に見える窪みがそれです。
鉄板の表面には点々と黒ずみが見えますが、これは腐食して穴が開いているのです。なので、この鉄板は要交換ですが、替えがありません。修理したときには、さらに弁の下に白い汚れが溜まって弁が浮き上がっており、完全に機能を果たしていませんでした。恐らく、パッキンのヘタれに加えて逆止弁の故障により、真空引きできなくなって廃棄されたものだと思われます。ただ、いずれもルブリケータに十分に給油したり、定期的に内部を清掃してグリースアップしていれば防げたかもしれません。共有設備の管理責任の所在が不明確になり、管理が行き届かなくなるのはよくあることです。世代ごとにお手入れの引継ぎが適切になされず、次第になおざりになるのもありがちです。
逆止弁の下に見える開口部は、さらに裏側についている圧力側の逆止弁のものです。それでは、蓋をさらに上部と下部に分け、圧力側の逆止弁と吸排出孔の内側を見てみましょう。

上部には吸排気孔の開口する小室があるだけで、逆止弁は下部の上下についています。下部を下から見たのが図12、上から見たのが図13(下)で、上側に圧力側の、下側に真空側の逆止弁が付いている、というふうになっています。真ん中の仕切り壁が真空側と圧力側を仕切っています。上部と下部は特に接合されておらず、パッキンでシールしてあるだけです。どちらも胴部に刺さる6本のネジで固定されています。逆止弁とパッキンはどちらもグリースアップしておきました。
ピストンが1回転するごとに、空気はいったんルブリケータに入り、給気孔から上部の真空側小室、下部の真空側逆止弁を通ってシリンダに入り、下部の圧力側逆止弁、上部の圧力側消失を通って排気孔から抜けてゆきます。

さて、内部構造の解説が終わったので、組立てなおしました。給気口を指で塞いで真空引きしてみると、-50 kPaまで下がりました。
今日のところはこれまでです。それでは。

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