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ブログ引っ越しました。

Livedoor blog.

『2001年宇宙の旅』鑑賞レビュー



『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)をみました。

スタンリー・キューブリック監督の1968年のSF映画作品で、宇宙に関わる物事を仕事、あるいは趣味にしているおじさん方は大体この映画に影響を受けたと言っている印象があります。映像作品としても評価の高い本作ですが、何度もみようみようと思いつつまだみたことがなかったので、このたびCampus Viridisのネタのために今更ではありますが鑑賞しました。以下、未鑑賞の方向けのあらすじと感想を述べていきます。


【非常に粗々しいあらすじ】人類と謎の物体"モノリス"の物語。

第一部:400万年前、ある出来事をきっかけに人類は進化した。そして1999年、人類は月面基地を建設できるほどに発展していた。

第二部:2001年、史上初の木星有人探査に向かう宇宙船ディスカバリー号には、人間たちとAIの"HAL9000"が乗船していた。

第三部:ついにディスカバリー号は木星に到達した。そこにあったものは…


-----感情ダダ漏れのネタバレの少ない感想-----


感想に入る前に謝罪させていただきます。

作品に対するリスペクトがなさ過ぎたと言わざるを得ませんが、端的に言いますと寝落ちしてしまいました。疲労困憊で意識朦朧の深夜にこの148分の映画を見始めたのは完璧にミスでした。気づいたら木星に向かっている船の中に私はいました。第一部が終わっていました。諦めて中断して布団で寝ました。


というのも、最初の5分は真っ暗な映像なのです。画面が壊れたかと思いました。

しかもその後の20分はサルっぽい連中がウホ!ウホホ!!って言ってるだけなんです。

映画まちがえたかと思った。

それが終わってやっと月面に行くと思ったら、ゆったりとしたクラシック音楽が流れる中、低重力下で人物たちがこれまたふわふわゆっくり動いているのです。


いや…寝るでしょ!!!!!


しかしながら、アポロ11号が本作公開の翌年に月面着陸を果たしたという時代背景を踏まえると、低重力や音の響かない宇宙空間の表現は素晴らしいものであり、なかでも岩塊やレゴリスが表面を覆う月面の描写は探査の情報に基づいていて驚嘆に値します。アポロの有人着陸がいまだに疑われるのも納得できなくもないというものです。

※映画です。

翌朝からみた第二部は、宇宙船内での乗組員とHAL9000というコンピュータのやり取りがメインでした。HAL9000は最新型のAIコンピュータで、丁寧語で淡々と話しながらも自意識が高く時に感情を覗かせるという、言わば今日まで続くAIキャラの原型になっています。彼はハルと呼ばれ、乗組員とチェスに興じたり(もちろん勝つ)もしていたのですが、不審な挙動を見せ始め…。

ネタバレになるのでこれ以上は述べませんが、後半の彼をクローズアップするシーンは本当に怖いものがあります。一方で劇中では詳しく語られませんが、彼の一連の行動の背景を知ったうえで改めてみると不憫な子どものようにも思えます。ハルかわいそう。

眼をイメージしたデザインらしい

正直な話、ストーリーとしての見どころはこの50分間ほどの第二部かと思います。第一部はウホホですし、第三部は後述。

ちなみにiPhone搭載のsiriにハルのことを尋ねると言葉を濁される、というのは一部で知られている雑学です。話し方似てるもんな。


そして第三部、木星に到達するシーンから始まりました。この木星系の描写は、巨大な木星と近傍の複数の衛星、はるか遠くに小さく見える太陽、という40年前とは思えないほどリアリティのある仕上がりです。木星への探査は、本作の公開5年後にパイオニア10号によるフライバイで初めてなされたことを考えると、SF表現というのは存外軽視できないものであると思わされます。

衛星表面の様子については曖昧に表現されていますが、それでも氷を表すと思われる青白い色味などは現実に近いものとなっており、当時の推測を元にしていることが伺えます。

木星と衛星 ※40年前の想像図なんです

そんな映像におぉ…と感動していたのも束の間、意味深なスクリーンセーバー的映像が流れ始め(20分間!!!)、動揺しているうちに映画は終わってしまいます。なんだこれ…。

そういった訳で、第三部はSFというより映像作品です。もしや本当にスクリーンセーバーの原型になったのでは…?

ただのスクリーンセーバーだこれ!!

まとめに入りますと、30年後の未来を描いた作品としては、携帯電話や電子メールのようなものが無かったりと予想できなかったものも当然ありますが、逆にSF映画にありがちの奇妙な文化描写や無理矢理な理系っぽいだけの謎理論などはなく、(最後のシーンを除けば)きちんとScience Fictionをしていると感じました。この映画に影響を受けて惑星探査に関わった人々は、実際の天体の姿を知った時には感動もひとしおだったのではないでしょうか。当時の興行収入は芳しくなかったそうですが、それでも後世に与えた影響が計り知れないことを節々で感じさせる作品でした。


ちなみに公開後に小説版も出版され、Odysseyシリーズとして2010年、2061年、3001年の世界も描かれているそうです。木星とその衛星エウロパを取り巻く物語のようですが、あらすじを見る限り2001年~よりはフィクション味が強いように思います。


総評:ハルがこわかわいかった。キューブリックすごい。


文責:ttantatan

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