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ブログ引っ越しました。

Livedoor blog.

第一回RLW 20170616

角に来たら右に曲がって、次の角では左に曲がる。

それをただ繰り返すだけ。


かつて隣の部屋にいたO氏から、その遊びについて聞かされた時、正直「ダンゴムシのものまね」、「暇人の暇つぶし」としか思わなかった。

何が面白いのか全く想像できなかったので、話を聞いたときは愛想笑いで聞き流した。

でも、当時の僕にはお金が無くて、つぶしたくなる程度の暇はあったので、それを一日かけて実践してみることになった。

徹夜明けの友人を無理やり巻き込んだのは、申し訳なかったが。


6月の暑い土曜日に行われた、記念すべき第一回右左散歩(当時はそう呼んでいた)の記録を、1年たった今、断片的な記憶をつなぎ合わせて記事にしてみた。

RLWの詳細については

https://campusviridis2018.wixsite.com/campusviridis/forum

を参照。

初期条件は竜岡門左。

参加者は3人。


なぜ竜岡門から始めたのか。

それは海を見たかったから。

覚えていないけど、当時の僕はなぜか海が見たかった。

なので暇をつぶすエネルギー源として、それをゴールにぶら下げた。

南向きの門から出発すれば、南の海に着くはずだ、という甘い考えが、竜岡門左という初期条件を導いた。


でも、海にたどり着くのは、非常に難しいということがすぐにわかった。

門を出て20回ぐらい、角を右に左に、交互に規則正しく曲がったのだが、北に南に、東に西に、ほとんど完璧にと言っていいくらいランダムに進む方角が変わってしまった。

全然南に行けない。

その結果、1時間くらい右左する間に、キャンパス東の池、キャンパス北の門、キャンパス西の大通りと、出発地点からほとんど離れずにウロウロすることとなった。

僕らが思っている以上に、下町は乱雑に作られていたようだ。

京都のような碁盤の目の都市構造であったなら、右に左に交互に曲がっていて、同じところをぐるぐる廻るなんてありえないのだから。


当初の目標の海はすぐに諦めたが、それでもできるだけ出発地点から遠くに行きたかった。

3時間ほど必死にダンゴムシの真似をしていたら、根津神社にたどり着いた。


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根津神社

ちなみに竜岡門と根津神社の直線距離は1キロ程度しかない。

途中お昼を食べていたとはいえ、どれだけ同じ範囲をぐるぐるしていたかがわかる。


はじめての根津神社観光を堪能し、再びダンゴムシの真似をする。

このあたりからようやく、長い距離をまっすぐ進めることが多くなった。

それでも、運悪く180度方向転換することがままあったので、出発地点は未だに1駅分程度の距離にあった。

出発から4時間、たまたまたどり着いた公園で休息していたところ、いつまでやるのかという話になった。

4時間も歩いて1駅分の移動ではあまりに寂しいので、あと少し、日が沈むころまで頑張ってみることにした。

少しでも遠くに、まだ見ぬ景色を求めて一歩でも。


僕らのしぶとい歩みは、奇跡をもたらすかに思えた。

開始から5時間、文京区から荒川区にたどり着いた。

視界に、西日暮里駅の看板を捉えた。

山手線を超えられる。

そう思った。期待した。


期待は裏切られた。

簡単に。

すぐに目の前に交差点が現れ、僕らは右に曲がらなくてはならなかった。

本能に忠実なダンゴムシだから。

僕らは嘆いて、商店街を抜けた先にあった喫茶店に入った。

その距離、竜岡門から約2キロ。

コーヒーとケーキを嗜みつつ、6時間の奮闘を互いに称え合った。

「なんだかんだ、楽しかったな」

目標の海はもう忘れられてたし、山手線は超えられなかったけど、途中で寄った神社やお店は楽しかった。

思い通りに進めないことも、宝くじみたいで面白かった。

僕らは晴れやかな気分で喫茶店をあとにし、ふと後ろを振り返ってみた。


そこには2時間前に休憩した、公園があった。

東京は、ダンゴムシに冷たかった。





今回のRLWでは、車道ではなく歩道を中心に道筋を決定していった。

これは安全面の考慮と、地図ではわからない面白さを求めての判断だった。

歩道中心で考えると、どの道とどの道が、どこでどう繋がっているかの判断が難しく、途中何度か議論になった。

複雑にはなるものの、このほうが結果的に面白いRLWになると思う。

理論上、同じ初期条件で始めれば同じ道筋をたどるはずである。

暇を持て余した暇人がいたら、僕らと同じ道筋を辿れるか、是非検証してみて欲しい。




文責:bababa

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